木’s保育園

福島県産の木材で、片側はボルダリングの斜面、反対側は人工芝の斜面の木製遊具(築山)をつくりました。
平坦な園庭に「高さ」が加わったことで、子どもたちの遊びにも変化がありました。人気があるのが“高鬼(たかおに)”。築山を中心に鬼ごっこをして遊ぶ姿が増え、子どもたち自身でルールを決めて楽しんでいます。
0歳児から5歳児までの異年齢の遊びでは、大きい子が小さい子の手を引いて助けたりといった関わり合いが見られます。配慮の必要な子にとっては一人で過ごす大事な場所になり、トンネルで木の香りをかいでいます。その間、他の子はそっとしておいてあげるそうです。
新しい遊具ができたことで安全・安心に対する保育者の意識が高まり、安全管理のためのチェックリストを作成し、定期点検を行っています。リスクとハザードの観点から、危険な遊び方についての約束事は必要ですが、大人主導ではなく、子どもの能力を信じて許す、禁止語を減らすという保育者の心がけも大事です。
遊びの中で、のぼる、とぶ、すべる、くぐる、はうといった幅の広い動作の繰り返しによる、バランス感覚や全身の運動能力の向上を実感しているそうです。また、築山での遊び方をヒントに保育の内容を考えられるようになりました。子どもの“忍者みたい!”という言葉に触発されて、運動会では、遊具を活用した障害物競争のプログラムを考案しました。

もうひとつは、室内遊具として導入した木製の積み木。子どもたちは、「つるつるする」「がさがさする」「いいにおい」と木の質感に関心を示しました。
車をつくった時はもう一人乗れるように大きくしようとか、三角の積み木の面をつなげて大きな三角にしてみようとか、子どもたちが話し合いながら遊ぶ様子が見られるそうです。積み木は微調整しながら造形できることが特徴で、自然と数や図形への関心にもつながります。
「木育」に力を入れているとのこと、積み木ができるまでのプロセスをイメージできて、自然の循環を学べる取り組みも効果的です。材料となる木の写真や木をテーマにした絵本の活用、森林組合の方のお話を聴く機会を設けるなどです。
今、プランターで苗木を育てているそうです。子どもたちが日々遊ぶ園庭に樹木をふやしていきたい、と園長先生。園児や保護者と一緒に楽しみながら、素敵な園庭をつくっていけるといいですね。

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