とうみょうこども園 保育環境向上支援事業報告

会津市の中心部にある幼保型認定こども園で、一年を通じて戸外を中心とした生活を送り、風の感触や太陽の匂い、生き物の変化や自然の移り変わりを身近に感じて「生きる力をはぐくむ」を方針とした園からの申請でした。

起伏のある園庭で遊具は充実していたが、植物が少なく「命の循環」としての水と緑に触れるようにしたいという希望(イメージ図1)から、令和 2 年度に園庭の高いところに井戸を掘り、その井戸から水を流し、水をためて池にした遊び場に変容し、その周りに植物を植えて、生き物を呼び込むように改善した園庭です。

図1 出来上がりのイメージ図

水道水を利用していた池<写真1>では、保育者の「もったいない」という気持ちがさきだち、芝生や草木への水やりや子どもたちが思い切って水を使った遊びが保証できなかったそうです。
令和 3 年度には隣地も購入して園庭を広げ、井戸水を利用した本格的なビオトープをつくり、そこに訪れる小鳥や虫等の生き物の姿を子ども達が発見し、観察し、図鑑等で調べる等の子どもたちの遊びや活動の領域が広がったといいます。

写真1 水道水を使用していた小さな池

具体的には、子どもたちは井戸の蛇口に雨樋をつなげて、流れる水と遊んだり、流した水を砂場にためて素足で入り、いつもの土壌とは異なる感触を楽しむなど、五感を満開したにした遊びが展開されています。<写真3、4>

写真3出来上がったビオトープの池

園では、今まで以上に遊び込むことができているという保育者の喜びの声と共に、子どもの遊びの幅が広がり、子どもたちのしたいこと、挑戦したいことを見守り応援しようとする保育者の姿勢にも変容があった、と述べています。

写真4:まだ春先で緑はほとんどないが、水辺で遊ぶ子どもたち

園庭を通して子どもたちの想像力、創造性が豊かになり、友達との共同・協働・協同性が育まれていくような環境を獲得したことで四季折々の変化を感じることができるようになり、園としては、地域の方々との総合防災訓練で一緒の活動し、井戸堀でできたビオトープを見ていただき、地域の方々による子どもたちへの語りかけやコミュニケーションの広がりを期待し、地域に密着した施設づくりをめざし、地域拠点づくりへの発想が広がっている好事例といえます。

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